WOW!! 何回ダメダメと言われようが
実際問題そんなん関係なくて
今、自分自身 必要なものたくわえて そろえとけよ!!



   ×××



 幸せな重さというは確かにこの世に存在していると、高尾和成はまさに今、そう実感していた。

「……高尾くん、ごめんね? 重くない?」
「いやぜんぜんそんなことねーよちょー軽いし楽勝楽勝」
「そ、そう? でも、ごめんね?」
「ほんと気にすんなよマジ全然平気だから」

 ウソ。実は全然平気じゃない。平然とすらしてない。きっと、オレはどうかしてる。っていうか、好きな女の子おんぶしてて、平気な男とかこの世に存在するの? しないでしょ、たぶん。っていうか、なんなの? なんでこう、こういう美味しいシチュエーションがいきなり訪れるの? ダメでしょ。こっちの準備とか、まだ全然できてないから。マジで。心臓に悪すぎ。神様恋する男子高校生にサプライズしすぎ。

「足、痛くねー?」
「うーん……ちょっと痛いけど……」
「じゃー早く戻らないとな」
「うん、そうだね」

 いや、正直、戻りたくないんだけど。別の意味で試されてる肝試しになっちゃったけど、これはこれで美味しいし。ああでも、足いたいのかわいそうだよな。けど、これ以上に美味しいシチュエーションにどうやったら巡りあえんの? ああもう!!

「あのさ、ちゃん――」
「――やっと戻って来たー!」

 はい、タイムアップ。オレのボーナスタイム終了ってか。くそ。ちくしょう。

「あーどうしたの? なんでおんぶ!?」
「え、てか、足痛そう!! 大丈夫?」
「だれか、救急箱とってきてー!!」

 彼女をベンチに座らせて、オレはその場を離れようとした。

「……高尾くん」
「なに?」

 彼女は、オレにしか聞こえないくらいの大きさの声で言った。

「一緒にいたのが高尾くんでよかった。ありがとう」
「……うん。いや、どういたしまして」

 手を振って、彼女から離れる。

「――やっと戻ったか、高尾」
「……真ちゃん」

 見慣れた相棒の姿にほっとしたのか、高尾はいつも以上に饒舌に語り出した。

「もおおおおおお真ちゃん!!! ちょ、聞いて!! マジオレの話、聞いて!? もう、マジヤバかったんだけど!! ねえ、おんぶだよ!? おんぶ!! もうマジ心臓に悪いから!!! でも、おんぶでよかった!! けど、なんかもう、すげえもったいない気もする!! けど、いきなりお姫様だっことかは意味分かんないじゃん!! でもしちゃえばよかった!! しちゃえばよかった!!!」
「うるさい!!」
ちゃん!! ちゃんかわいい!! もう死ぬ!!」
「オレに言ってもしょうがないのだよ!!!」
「本人にいえねーから真ちゃんに言ってるんでしょ!! くそ、ああもう!! 好き!」

 本人に言えだって?
 それができないから、オレは悩んでるんだよ! 緑間のバカ!!






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星型28気筒の獅子舞さんからいただきました。ありがとうございます!